エンド・アラウンド(end around)
ワイドレシーバーがボールをキャリーするランプレー。サイドライン付近にセットしたワイドレシーバーが、スナップ直後にスクリメージライン手前のエリアを逆サイドに向けて走り、その途中でクォーターバックからハンドオフを受ける。プレー展開は遅くなるが、ディフェンスの裏をかくトリックプレー。クォーターバック以外のプレーヤーから最終的なボールキャリアーがハンドオフを受けた場合はリバースと呼ばれるプレーになる。両サイドのワイドレシーバーが互いに逆サイドに向けて走り、クォーターバック→ワイドレシーバー→ワイドレシーバーとつなげるダブル・リバースというプレーもある。
オフタックル、パワーオフタックル(off-tackle, power off-tackle)
テイルバックが、タックルおよびタイトエンドにより開けられたタックルの外側のホールを走るプレー。フルバックはリードブロッカーになる。スイープと違い、オフタックルではタックルとタイトエンドがホールをつくる。さらに逆サイドのガードがリードブロックに参加する場合はパワーオフタックルと呼ぶ。一方のサイドに数的優位を作り出すパワープレーである。
オプション(option)
守備側のキープレーヤーを定め、そのプレーヤーの動きによって、クォーターバックが持って走る(キープする)か、テイルバックまたはフルバックに渡す(ピッチ)か選択するオープンプレイ。キープレーヤーの候補はディフェンスエンド、ラインバッカー、セーフティー、コーナーバックと色々ある。またフルバックにダイブのふり(フェイク)をさせ、オプションを展開する「フリーズオプション(インサイドを見るラインバッカーを一瞬止める(フリーズ)させることから)」やウィッシュボーン隊形からの「トリプルオプション(クォーターバックはダイブさせるか、キープするか、ピッチするかの3つの選択をする)」などがある。
カウンター(counter)
オフェンスラインや他のバックスのプレー方向と一人逆向きに走らせたプレーヤーにハンドオフするプレー。ランプレーへの守備側の反応が早いときに相手のオーバーパシュートを誘いやすく有効とされる。一般にテイルバックが逆方向に走る場合が多いが、ハンドオフのフェイクも加えるなどしてクォーターバック自らが逆方向に走る「クォーターバックカウンター」や、上記のオプションと合わせた「カウンターオプション」もある。
クォーターバックスニーク(sneak)
スナップを受けたクォーターバックがそのままボールを保持し前進するプレー。1ヤード前後の短い距離を確実に進めたい場合に選択される。
スイープ(sweep)
ボールを受けたテイルバックがまず横方向に走り、フルバックや逆サイドのガードなどが守備側選手を掃く(スイープ)するようブロックし、できた走路をテイルバックが走るオープンプレー。
ダイブ(dive)
クォーターバックからボールを受け取った(ハンドオフ)ランニングバック(主にフルバック)が一直線に飛び込むインサイドプレイ。主に短い距離を確実に進めたいときに選択する。1回につき3ヤード以上進めば攻撃側が優勢とされる。
ドロー(draw)
クォーターバックがパスをすると見せかけて下がった(ドロップバック)後、ランニングバックにハンドオフして、真ん中を突くインサイドプレイ。パスラッシュしてきたディフェンスとランニングバックが入れ違いになることを狙う。ランニングバックが「線を描く」様に真直ぐ走るところから名付けられた。
ブラスト(blast)
クォーターバックはテイルバックにハンドオフし、フルバックがリードブロッカーとなって中に通路を作るインサイドプレイ。
パスプレイ
スクリーン・パス(screen pass)
パスレシーバーの前に、1人以上のブロッカーを幕(スクリーン)を張るように展開するプレー。もっとも一般的なスクリーン・パスでは、クォーターバックが大きくドロップバックし、ディフェンスがパスラッシュした背後のスペースにブロッカー(ガード、フルバック、タイトエンドなど)とレシーバーが展開し、パスを投げる。
ハーフバック・パス(halfback pass)
クォーターバックがランニングバックかワイドレシーバーにハンドオフかバックパスし、それを受けたランニングバック/ワイドレシーバーがフォワードパスを投げるトリックプレー。プレイアクションパスに比べて、守備側がランプレーへの対応をより進めた時点でパスに切り替えるため、成功した場合には大きなゲインを望むことができる。NFLには学生時代にクォーターバックとして活躍したランニングバックやワイドレシーバーがいるものの、専門外のプレーヤーによるパスであるため成功率は低い。
フリー・フリッカー(flea flicker)
クォーターバック→ランニングバック→クォーターバックとハンドオフまたはバックパスを行い、クォーターバックがフォワードパスを投げるトリックプレー。効果としてはハーフバック・パスと同様であるが、フォワードパスを投げるのが専門職であるクォーターバックであるため、パスの精度を期待することができる。ただし、ボールの受け渡しが多く行われるため、ファンブルの危険性が高く、あまり選択されない。
プレイアクションパス(play action pass)
ランプレーと見せかけてハンドオフのフェイクを入れた(=play、ここでは「演技する」の意)後にパスを投げるプレー。相手がランプレーを警戒している場合、その効果は高い。
(例)インサイドが有効な相手(オフェンスラインが相手ディフェンスライン、ラインバッカーに勝っている)に対して仕掛けると、相手はインサイドに注意が行くため、その裏を通すショートパスが有効である。
その他
オーディブル・コール(audible call)
通常、プレイ前のハドルにおいて今回のプレイについて打ち合わせを行うが、スクリメージラインに着いた際に相手側の陣形を見てハドルで取り決めたプレイが成功する見込みが低いと判断された時、クォーターバックが暗語を発しプレイヤーにフォーメーションの変更を伝えること。残り時間が少ない時にはハドルを省略し、オーディブル・コールだけでプレイを進めることも多い。
トラップ(トラップ・ブロック)(trap, trap block)
オフェンスラインが通常の真正面のブロックとは異なって交差(クロス)するようにブロックし、そこで開いた道を通らせるプレー。相手ディフェンスラインは予期せぬ方向からブロックが来るため効果が高く、どのプレーにも合わせられるという有効な戦法である一方、センターと両ガードがぶつからないようにする交差するタイミングが難しく、特にガードの機動力が問われるプレーである。
ブーツレッグ(bootleg)
クォーターバックがランフェイクをした後、弧を描くように逆サイドに回りこみ(=ロールアウト)、パスするかそのままキープして走るプレー。通常はオフェンスラインを一人クォーターバックの走る側に残してリードブロッカーとするが、これも置かずにクォーターバックが一人でオープンサイドを走る場合はネイキッド(naked)と呼ぶ。
フェイク(fake)
相手を騙すこと。クォーターバックの戦術的には、パスを投げると見せかけてランナーにボールを渡す、ランナーにボールを渡すと見せかけて渡さずパスを投げるなどがある。フォーメーションでは、次のようなものがある。
フェイク・パント(fake punt)
フォースダウン時にキッキングチームを出して、パンターがパントを蹴ると見せかけて受け取ったボールを投げる、あるいはそのままボールを持ってランするプレー。ギャンブルプレーの一種で、失敗すると相手に攻撃権が移ってしまう。
フェイク・フィールドゴール(fake field goal)
フォースダウン時にキッキングチームを出して、キッカーがフィールドゴールを蹴ると見せかけて受け取ったボールを投げる、あるいはそのままボールを持ってランするプレー。僅差で残り時間がない時に、しばしば用いられる。ギャンブルプレーの一種で失敗すると相手に攻撃権が移ってしまうが、相手側ゴールに近い場所で攻撃権を渡すので、まだ反撃の可能性は残る。
サードダウン・パント(3rd Down punt)
後1回攻撃権が残っているのに、キッキングチームを出す戦術。フェイク・パントの可能性が高いため、守備側はパントに対する守備フォーメーションを取ることができない。すると、パントを蹴った時に相手陣内深く蹴り込めるメリットが生まれる。戦力が圧倒的劣勢に立たされ、自陣に押し込まれている時に用いられる。NFLではまず見られないが、日本の大学選手権などではしばしば奇襲策として用いられる。
ブラフ(bluff)
はったり。例えば、クォーターバックが今にも突撃を行うかの如く大声を発して合図を送るもの。守備側が動揺して前に出てくれれば反則が稼げるし、まだ攻撃してこないと油断させれば機先を制することができる。
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