人類基盤史研究所 (BOARD) 。「ヒトが地球を制した背景には、進化論では説明できない理由が存在する」との仮定に立ち、その理由を究明するために作られた機関である。彼らは探求の末、不死の生命体を発見し、これらが様々な生物の祖であるとした。これらは"アンデッド"と名づけられた。数年前、アンデッドの大半の封印が解かれ、人間を襲い始めた。BOARDは所長・烏丸啓の指揮の下、アンデッドの封印を行うべく、アンデッドの能力を応用した特殊装備"ライダーシステム"を開発する。
BOARDの新人職員・剣崎一真は、先輩の橘朔也と共に、バットアンデッドの封印に当っていた。だが剣崎=ブレイドは、アンデッドの前にほとんど何も出来ず、橘=ギャレンに助けられようやく封印に成功する。そんな2人に、白井虎太郎という青年が唐突に取材を申し入れてきた。虎太郎は「仮面ライダー」という都市伝説を追っており、先ほどの始終を見て、剣崎達こそが「仮面ライダー」であると確信したのだ。突然の取材オファーに剣崎達は困惑する。
その夜、BOARDはアンデッドの襲撃を受けて壊滅した。生き残った研究員・広瀬栞は、かねてから烏丸との間に確執のあった橘に疑惑の目を向ける。
平成仮面ライダーシリーズの5作目である本作品は、「ライダーシステム」と総称されるシステムを用い、トランプをモチーフとする「ラウズカード」に封印されたアンデッドの能力を引き出すことによって、仮面ライダーへの変身と特殊技の発動を行う。カードを駆使して戦うスタイルは『仮面ライダー龍騎』でも見られたが、1体のモンスターと契約すれば複数のカードを得ることが出来た『仮面ライダー龍騎』に対し、本作は1体のアンデッドから1枚のカードしか得られず、ポーカーのように一度に特定の複数枚のカードを使うことで技が強化されていくという点が違い、戦闘スタイルにバリエーションを持たせている。
仮面ライダーのモチーフもトランプのマークであり、それにあわせて初披露時から登場するライダーは4人(レンゲルは名前と俳優のみ発表)と明かされていた。それと同時に虫とのダブルモチーフである。また主人公・ブレイドはTVシリーズの主役のライダーとしては唯一、基本カラーが青であり、『仮面ライダークウガ』以降の作品の主役としてはやはり唯一、基本カラーの赤いバリエーションを持たない(さらにブレイドのスーツアクターを務めた高岩成二氏はあらゆる「平成仮面ライダー」や「スーパー戦隊」で主役を演じている為、彼にとっても数少ない「赤くない主役」である)。
本作品の怪人「アンデッド」はトランプに当てはめられ、数も当初から52体(後に53体)と明かされていた、そして不死身であり倒す方法が「封印」であることも大きな特徴である。
コンセプトの一つに「職業としての仮面ライダー」があり、剣崎と橘は組織に属し、給与を貰って仮面ライダーとなって戦うという構造となっている。また作中のセリフにも「これが仕事」「給料」などの職業を連想させるものが多い。「ライダーシステム」という用語で「仮面ライダー」を仕事としているのは『仮面ライダーカブト』のゼクトにも受け継がれられている。
平成ライダーシリーズでは使われることの少ない「仮面ライダー」の名称であるが、本作品では『仮面ライダー龍騎』同様全編通してこの名称が使われているのも特筆すべき点の1つと言える。
内容は前作の『仮面ライダー555』同様、怪人側にもスポットを当てたエピソードが複数存在するが、前作が「人間の心を残したまま異形の存在(つまり怪人)になってしまった者」の悲劇を描いたのに対し、本作は「異形の存在として生まれながら人間の心を持ってしまった者」の苦悩が作中で克明に描かれ、主人公サイドの登場人物であり、後者の要素を持つ相川始の苦悩や葛藤、その処遇を巡ったストーリーが展開された。中盤では追加メンバーである上城睦月のトラウマに対する克服も大きくクローズアップされた。 前半と後半で脚本家が大きく違うのもこの番組の特徴と言える。
キャスティング・スタッフ
東映側のメインプロデューサーには、仮面ライダー作品は初となる日笠淳が担当。メイン監督は前3作までを手がけた田崎竜太に代わり、『仮面ライダークウガ』以来のメインとなる石田秀範が務めた。メインライターは当初特撮番組には初参加となる今井詔二を迎えてスタートしたが、中盤からはゲストライターであった會川昇が引き継ぐ形となった。このことについて日笠、武部の2人のプロデューサーは特撮雑誌で「今井のスケジュールの都合で交替となった、後半も出来れば書いて貰おうと思ってた」と語っている。
本作品でアンデッドデザインを多数手がけた韮沢靖は、後の『仮面ライダーカブト』『仮面ライダー電王』『仮面ライダーG』にも怪人のデザインで参加しており、これは『仮面ライダーカブト』の白倉プロデューサーがアンデッドのデザインに感銘を受けての起用だったという。また、『仮面ライダーアギト』のアンノウン以来となるライダー怪人のデザイン画集『UNDEAD GREEN BLOOD』が発刊される。
上城睦月役の北条隆博は当時18歳であり、レギュラー登場のライダーとしては最年少だった。またかつて特撮ヒーローを演じた森次晃嗣と春田純一が物語のキーマンとして登場した。
楽曲
当初オープニング曲として使用されていた「Round ZERO 〜 BLADE BRAVE」は前々作の『仮面ライダー龍騎』と同じく、ライダーシリーズには珍しい女性ボーカルを起用した曲となっている。また後半ではそれまでのシリーズとしては珍しく、OP曲・映像が完全に刷新されている。
また本作品では戦闘時のエンディング曲(挿入歌)のボーカルを出演者の天野浩成、森本亮治がそれぞれ担当。レギュラー出演者が手がけるエンディングは後の『仮面ライダーカブト』などにも引き継がれた。
評価
後半こそ多少持ち直したものの、平均視聴率は本作品までの平成仮面ライダーシリーズの中で最低を記録し、玩具等の関連商品のセールスも概ね不調に終わるなど、苦い結果を残すこととなった。一方で後期オープニング『ELEMENTS』は仮面ライダー関連CDとしては当時のオリコンチャート最高位である、初登場6位を記録するに至っている。
アンデッド
有史以前より、地球上の生命の繁栄を管理する“統制者”(意図的パンスペルミア説でいう、シードマスターのような存在。烏丸はその正体を、地球上の生物の「他の種よりより優れた存在に進化したい」という強い思念が結合して誕生した、バトルファイトというシステムを進行させ発動させるためだけに存在する思念体と考えている。自我があるのかどうかさえ不明で、何度もバトルファイトを発動し生態系を変えてきた。)によって創り出された、地球上に生息する様々な生物の始祖たる不死の生命体。いかなる方法を用いても死ぬ事がないことからアンデッド (undead) と命名された。53体存在(後述する、現代において人為的に発生した個体を除く)し、1万年前に行われたバトルファイト(後述)の結果52体がラウズカードに封印されていたが、物語開始から2年余り前、封印が解かれ現代に蘇った。
マルバタ クロスレ シュール しばざくら アスク たいざん ロスカ チーズ 白爵南瓜 モルガ ユーボ 冬の星座 ライオン いろはに ピーク ハスカ リッペ リーズ ダイヤ 雪の駅 マネタ ファース グラス おくやま スピンオフ スカッド レンジャー レジスタ バルキー 寄居かぶ メキシコ へきぎょく ダージジ パサク はま スティン つるむら 京野菜 コリンズ プール ギミッ デカル マンネリ ハイガイド トークッシ ロンティー サイトバラ メガ最適 ミズム どうちゃく
決して死ぬ事がなく、治癒能力も極端に高いアンデッドの活動を制限する方法は、専用のラウズカードに封印する以外存在しない。アンデッドはその分類ごとに、あらかじめトランプでいうスートとカテゴリーがそれぞれに定められており、過大なダメージを受けると腰部の〈アンデッドバックル〉が展開、スートとカテゴリーを確認することが可能になり、ブランクのラウズカードによって封印することができる。名前は基本的に「モチーフ生物の英名+アンデッド」。アンデッドはそれぞれの属するカテゴリーにおいてその戦闘力に差異があり、カテゴリーAに属するアンデッドや、後述する上級アンデッドやジョーカーは他のアンデッドよりも高い戦闘力を備えている。
カテゴリーA:ライダーシステムに組み込む事で、システム装着者を仮面ライダーへと変身させる。
カテゴリー2:ラウザーを用いた直接攻撃の強化。
カテゴリー3:パンチ系攻撃力の強化。
カテゴリー4:突進力・浮遊力などを付加して間接的に攻撃を強化。
カテゴリー5:キック系攻撃力の強化。
カテゴリー6:雷や炎といった、自然界にある原始的な現象を発動。
カテゴリー7:金属、有機物などの『物質』の特性を技に付随。
カテゴリー8:敵の動きを制限・抑制。
カテゴリー9:高速移動や回復、煙幕噴射などといった戦闘力の補助。
カテゴリー10:封印されたアンデッドの解放や時間停止など、超特殊能力。
カテゴリーJ:ラウズアブゾーバーとカテゴリーQの力を借りる事で、ライダーシステムと融合する。
カテゴリーQ:ラウズアブゾーバーを介して、カテゴリーJ及びKとライダーシステムの橋渡しをする。
カテゴリーK:ラウズアブゾーバーとカテゴリーQの力を借りる事で、ライダーシステムと融合或いはその装着者に何らかの進化をもたらす。ジョーカーの場合、カテゴリーK単体の力でジョーカーに進化をもたらす。
バトルファイト
1万年前、53種のアンデッドにより自らの種の繁栄をかけて行われたバトルロイヤル。このバトルファイトは“統制者”と地球上の有機生命体とのコンタクト用インターフェースである黒い石版・モノリスを通して管理されており、アンデッド同士の戦いで敗れた結果戦闘不能になったアンデッドは、モノリスの力によってカードに封印されていき、最後まで封印される事なく残っていたアンデッドが勝者となる。
勝者となったアンデッドには、“統制者”から地球上の全生命を自分の望むがままに変革できる“万能の力”が与えられ、その後の世界を自分の思い通りのものにできる。一方、バトルファイトにおいていかなる生物の始祖でもないジョーカー(後述)が勝者となった場合は、地球上の全生物が死滅、いわば地球上の生命がリセットされる事となる。前回のバトルファイトでは、最終的にヒトの始祖たる不死生物・ヒューマンアンデッドが優勝し、あらゆる動植物が暮らす現代の世界がもたらされた。
しかし最後のバトルファイトから1万年後に大半のアンデッドが解放された結果、解放されたもののみを出場者と“統制者”が認識、バトルファイトは再開されることとなってしまった。現代の世界でのバトルファイト再開は、バトルファイトの顛末を知り“万能の力”を欲した天王路によって仕組まれたものであり、天王路がモノリスを所有・管理していたためアンデッドの下に出現できず、ゆえにジョーカーと仮面ライダー以外は他のアンデッドに勝利できても封印する術のないイレギュラーな戦いとなっている。緻密なシナリオの末天王路は最強の人造合成アンデッド=ケルベロスIIとしてバトルファイトの参加資格を得ることに成功したが、計画に利用した仮面ライダーによって倒され、ギラファアンデッドによって殺害された結果その目論見は潰える事となった。最後にはジョーカーが勝ち残り一度は全生命のリセットが遂行されたが、剣崎がキングフォームの酷使によってジョーカー化した事で出場権を獲得、バトルファイトは再開されリセットは中断された。そして互いに戦わないよう剣崎が始の下から姿を消したため、物語終了後もバトルファイトが終わる事はなかった。
上級アンデッド
それぞれのスートにおいて、J、Q、Kのカテゴリーに属する12体のアンデッドを指す。その存在を予見していたBOARDによって“上級アンデッド”と呼称された。上級アンデッドは他のアンデッドよりも強大な力と高い知能を兼ね備えており、さらにその外見を人間の姿に化身させる事が可能。さらに人間や自分達よりカテゴリーの低いアンデッドを、マインドコントロールして操る事もできる。彼らは解放されてから短期間で人間の言葉をマスターし、化身する事で怪しまれることなく人間社会に潜伏している。一般的なアンデットとの外見状の違いはアンデットバックルが金色でウロボロスのエンブレムが骨化している。